身の回りのSDGsに取り組もう

投稿者:nakajima 投稿日時:金, 2021-10-08 17:45

 横浜の自宅と那覇市の借室とを往復して仕事をしていると、一番胸が痛むのは飛行機の利用だ。ジェット燃料を使う現在の飛行機は大量の炭酸ガスを排出する。環境活動家のグレタさんは国連の環境会議に参加するために飛行機を使わずヨットで移動した。これを皆がやればグローバルなビジネスや観光はピンチに陥るが、これは何とかしなければならない。筆者も沖縄までヨットで移動する気はとても起きない。
 もちろん、そう思っているのは当の航空産業だ。機体を軽くする、できるだけ早く空気抵抗の少ない高空に達するために急速上昇する、燃料機構の掃除を頻繁にして燃費を良くする、など様々な工夫をしているが、最も効果的なのはジェット燃料を止め、植物由来の環境燃料に移行することだ。
世界の航空業界の団体のIATA(国際航空運送協会)は10月4日、年次総会で「2050年に温暖化ガス排出ゼロ」を賛成多数で可決した。その方法として環境燃料の活用を上げている。中国の航空会社は中国政府の排出ゼロの目標は2060年であるとして反対したが、欧州は50年以前を目標にしていることなどから多数決で決議したそうだ。 国境を越えて移動するサービスを提供する航空会社は、世界で一番厳しい国、地域の基準を意識せざるを得ない。最も厳しい欧州、特にドイツや北欧の影響を受けるのは当然と言えば当然だ。
日本の航空企業も装用だ。日本国内の企業がSDGsの理解が進まない中で、いち早くSDGs活動に動き出していた。さらにIATAの決議である。
報道によると、「全日本空輸と日本航空は8日、廃油や植物を原料にした環境負荷の少ない持続可能な航空燃料(SAF)の活用推進に向け、共同で市場調査を実施し」、低コストのSAFの開発、製造を「国や製造事業者への働きかけを急ぐ」としている。
 「国や製造事業者に働きかける」というのは現実味のある話である。
 キーになるのは健康食品としても有名な「ミドリムシ」である。「ムシ」というが、これは藻の一種で、高水温で繁殖が旺盛なため、石垣島で養殖事業が進展している。
このメーカーのユーグレナ社はミドリムシを原料にしたバイオジェット燃料を開発中である。6月には「国土交通省航空局が保有し運用する飛行検査機において、ユーグレナ社製造のバイオジェット燃料を世界で初めて使用したフライト・飛行検査業務を実施した」と発表している。増産してゆけばコストを下げて行ける。「エネルギー資源がない」と言われてきた日本も、太陽光、風力、地熱と豊富な資源が潜在していることが分かってきたが、さらにバイオジェット燃料だ。
 SDGsには最も遠いと思われる炭酸ガス大量バラマキの航空産業でも取り組んでみるとたくさんの可能性を発掘できている。いわんや情報通信産業においておや、である。
直接の危機に迫られていない情報通信産業はSDGsの取り組みに追い立てられる感は薄いが、実は脱プラスチック、脱ペーパー、脱通勤、食品ロスの削減、男女平等、子ども食堂への援助、正規・非正規労働の格差是正などなど、身の回りにいくらでもSDGsに取り組む課題はある。
花王は、8月、「調達先向けESGガイドライン」を公開し、「ESGに取り組んでいない(SDGsに取り組んでいない)企業との取引中止措置」が含まれていることを明らかにした。SDGsの広がり方は急ピッチである。無関係な企業は存在しない。