クラウド社会に適合した「ノマド」というワークスタイル

投稿者:nakajima 投稿日時:月, 2012-05-28 14:11

 最近よく耳にする「ノマド」というのは「遊牧民」という意味だそうだ。農耕民族のように一か所に定住するのではなく、収獲の最適な場所を求めて移動する人々のことである。それが転じて、今日の社会のワークスタイルの一つになっている。
特定のオフィスをもたず、外出先で、シェアードオフィスや場合によってはネットカフェ、喫茶店などを転々とし、ノートPCやスマホ、スマートタブレットなどをネットにつないで仕事をする。基本的には複数の契約先をもって、求めに応じてコンサルティングをする、コンテンツを制作して納める、自分で開発したアプリやソフトウェア、コンテンツ類を企業に提案してゆく、というワークスタイルである。
 IT産業では、個人事業主が、その時々の契約先に応じて就労場所を変え、一定の場所に留まらないワークスタイルの一群の人々がいる。しかし、通常は相手の作業場所に出向いて仕事をするので、少し「ノマド」のイメージと違いがある。「ノマド」は成果主義なので、端末に向かって作業をしているときには、同時に、複数の作業を気分に応じて並行してこなす、ということが多い。組織に拘束されずに時間を自由に使う事で発想が豊かになるクリエーター的な仕事に向いている。
 それを可能にしたのが、クラウドのインフラである。厳重なセキュリティで防御したサーバーにインターネット経由でつなげば、どこにいても仕事に必要な情報にアクセスして作業ができる。他の作業者と協働が必要な作業でも、ネットワークで情報や工程を共有しながら効率的に作業を進められる。もちろん、クラウドを利用する無線環境が急ピッチで進み、これを利用する端末として、スマホやスマートタブレットが急速に機能を強めて業務に利用できる水準になったことも、「ノマド」のワークスタイルを実現させるのに大きく役立った。
 もちろん、個人事業主として独立できる人は条件が限られる。ただし、企業がきちんとルールを整備すれば、従業員に「ノマド」的なワークスタイルを提供することができる。がんじがらめの組織内就業に比べれば従業員の自由度が高まって仕事の能率が大きく向上することも期待できるだろう。インフラが変わればその上に成立する仕事の仕方も根本から変わる。「ノマド」の登場は、大きな変化の予兆かもしれない。