巨大な市場~~インターネットと電力の融合

投稿者:nakajima 投稿日時:日, 2012-09-30 21:02

 「マルチメディア」という言葉はすでに過去の用語なったが、それが実現しなかったから過去になったのではない。すでに実現して当たり前の状況になったので、もう言い立てる必要がなくなったのである。マルチメディアは、「シングルメディア」が複数、融合または統合することを言った。そのころのシングルメディアは「電話」「テレビ放送」「パソコン」である。マルチメディアはこの3つのシングルメディアが融合または統合する状況を指したのだが、今や、インターネットによって見事に融合した。
 原動力になったのは、すさまじいまでの半導体の技術革新である。10年間で100倍の価格性能比の向上を継続的に実現してきた。「ムーアの法則」とである。
その能力向上はパソコン(マイクロプロセッサー)を通じて革命を起こした。大型コンピューターの代わりに安いパソコンがその役割を置き換え、安くなったコンピューティング能力が音声をデジタル化し、通信機能をデジタル化し、電話機器、交換機、通信システムに入り込んで、通信をコンピューターによって飲み込んだ。コンピューターと通信が融合した。さらに映像処理、音楽処理、放送信号のデジタル化して、テレビ放送をコンピューターが飲み込んだ。これがマルチメディアである。これをさらに効果的にしたのがパケット処理機能を実現し、インターネットを発明した。
 さらにコンピューティング能力は通信のデジタル化によって光通信を実現し、また無線通信を高度化してどこでもケータイやスマホを使えるユビキタス環境を生み出した。
 ムーアの法則は依然として続いている。通信を飲み込み、放送を飲み込んだコンピューティング能力の向上は次に内を飲み込むのか。医療、教育など、これまでなかなかICTの効用が届いていない分野も候補だが、ここにきてはっきり見えてきたのは「電力」である。ちょうど、電力は従来の事実上の地域独占体制が崩壊し、発電・送電・電力小売りを分離して、発電と小売りの2つの分野で自由競争の原理が持ち込まれようとしている。期限も決まった。2014年4月である。
 数年前から、米国発で「スマートグリッド」の構想が伝わってきた。日本の電力はすでにスマートだから、と電力業界は無視しようとしたが、「スマートグリッド」は再生エネルギーなどの超分散エネルギー源を効率的にネットワーク化する新しいエネルギー体系の構想だ。これは電力体系の自由化がなければ進展しない。
そこでは、再生エネルギーやディーゼル、燃料電池などの小型発電システムで電気を起こし、電気自動車のバッテリーや各所に配置した多数の小型・大型蓄電器をネットワーク化することによって需給を調整する。もちろん、コンピューターやインターネットによってこれを最適化する仕組みが構築される。その単位は「家庭」「団地」「事業所」「町内」「地域」「地方」と大小さまざまな「タウン」「シティ」「コミュニティ」や「ソサイエティ」である。コンピューターやインターネットの融合は、この電力改革とともにやってくる。
 情報産業の新しい活躍舞台になるだろう。この新しい市場をしっかりとつかみ取って、ソフトウェア産業の次代を切り拓かなければならないだろう。