首都圏ソフトウェア協同組合 株式会社ディジタル 代表取締役社長 小池 保典様

会社の設立に至る経緯や現在に至るまでの苦労された点をお教え下さい。

1997年、諸事情で仕事を探していた時、周りの方々のおかげで某大手会社のPC総入替プロジェクトのPMを個人で請負うことになりました。

口座の問題や作業員への資金手当等の問題があるため、私の元上司が創業した株式会社ディジタル販売に所属し、作業メンバーを組織し全国の支店、工場での作業を実施いたしました。このプロジェクトが終わった後はどうしようかなと先が読めない状況で作業をしておりましたが、幸いにもお客様の信用をいただき継続して案件をいただき、その間に顧客と人材を少しずつ増やせ、経営の基盤を何とか作ることができ、2000年に分社し現在に至っております。

当初は小規模なインフラ系の設計から構築・運用・ヘルプデスク・機器販売、技術者派遣などを主な業務にしておりましたが、現在では中規模クラスの仮想化システム、シンクラ化等の設計構築案件を直接エンド顧客から請負える体制ができるようにまでなっております。また大手SIerの基盤関連部署にてPMOや上流工程担当SEが常駐し、高い評価を得ております。

一方、或る大学医学部用に開発納品しました入試システムと顧客対応が評価され、アプリケーションの開発業務も推進することとなりました。その顧客での小さな開発案件を着実にこなし、手厚いサポートを実施したことから存在感を高め、E-Learning等のWeb系教育システムの開発や運用、先生方の人事考課システム、勤怠システム等基幹システムの開発も請負うことができるようになりました。また他学部や系列学校などからもお声をかけて頂けるようになりました。

弊社開発の特徴としましては、世界や日本の大学で採用されている最新トレンドを元に企画提案・プロト作成し、学内承認・予算化にこぎつける準備段階フェーズを御支援できることです。

また作成したアプリケーションをパッケージとして外販することも実施しております。もちろん学校関連以外の業務アプリケーションの開発も受託できるようになりました。そのような実績を積む中で2010年夏にi-Padでの開発案件がもちこまれました。

モバイル端末カメラ表示システム「i-Clairvoyant(アイ クレアボイアント)」を発売されており、MCPC award 2011 奨励賞受賞を受賞する等ユーザーの評価も高いとのこと。開発に至った経緯や苦労されていた点等を教えて頂けますか?

自社製品であるi-Clairvoyant™は、2011年に発売以来多くの大学病院や総合病院で納入され携帯性、使いやすさ、レスポンスなどでよい評価を得ております。i-Padからカメラや録画機器の操作やセンサー情報を表示できることから行動が予期できぬ患者様や手術状況などのモニターや管理に使用されております。

開発に至った経緯としましては、ある大学病院の病院長が新システムはi-Padを使用した製品はないのかという一言から、これは弊社が創るしかないと直感的に感じ決断したことが始まりです。

しかし、Appleの開発経験、人材、技術、情報も、まして仕様も全く無いところから、さらにライセンス費用は製品が完成し検収が上がった後支払というリスクの高い条件で展望もなく手探りで始めました。
幸いなことに開発を担当した技術者達が企画、デザイン、実装、品質まで手掛ける能力があったことと、周りの優秀な技術者が親身になってサポートしてくれたおかげで期日までに製品化することができました。非常にインパクトのある製品として評価され、また2011年MCPC awardで奨励賞を受賞いたしました。

また今年6月よりライブ映像配信システムi-Jolis-yeux(アイ・ジョリヨ)を開発販売しました。入院患者様等の生体情報をi-Pad上に配信できることからナースステーションに常備・携帯する形で運用されております。

さらに、OEMとして或るメーカーの特定機器や映像機器をコントロールするアプリ製品も開発・販売しており、いわゆるモバイルM2Mカテゴリーとして発展する可能性があります。

現在は、各製品をWindows新バージョンに対応できるように移植開発を進めております。
苦労している点は、ライセンスの販売は原則AppStore経由となるはずですが、顧客ごとのカスタマイズ対応や、バージョン管理、障害対応などで適宜申請ができず対応に苦慮しております。また、利益が出るまでには相当のライセンス数を販売しないといけないことと、それを継続していくための努力は並大抵のものではありません。

首都圏ソフトウェア協同組合で組合の活動をはじめられたきっかけ、その後の活動において組合に所属されて良かったと思われる事等についてお教え下さい。

首都圏ソフトウェア協同組合(Metsa)に加入年月は2007年11月です。それ以前から弊社のような弱小企業が単独で生き残れなくなることは、市場や業界の劇的変化、雇用規制強化などで予測され、少しでも現状の打開策を模索しておりました。Web上で企業が連携できる団体を探していたところMetsaに出会いました。

弊社はサーバーやネットワーク等インフラ関連の設計や構築・保守業務に重点を置いておりましたので、ソフト開発の会社が多いMetsaに加入してビジネスに効果が出るのかなと疑問はありましたが、ダイレクト商談会や、協議会などでいろいろな有益な情報や、技術やビジネスのトレンドを知り得ることができ、会社のビジネスの方向性に良い判断材料を与えてくれております。

また組合関連の一流の方々や加入会社社長や若い方とのコミュニケーションを通して、勉強や問題解決や将来について等楽しく情報交換をさせていただいております。

また、自社製品やサービスなどを紹介できる展示会に手が届く費用で出展することができ大変有意義に利用させていただいております。

今後のJASPAの活動に対する要望等、是非お教え願います。

弊社の場合はMetsaでの参加が主になりますが、会社の継続と会社の認知度や社会への貢献度の向上、社員の雇用継続の視点から、有意義で価値のある組合であることが認識できましたので、今後もできる限り積極的に活用利用できればと思っております。いろいろとご指導いただき、その中で自社の立ち位置や方向性が少しでも見えてくればと願っております。

最後に御社についてそして、御社のPRを思いっきりお願いします。

会社の方向性として、インフラ関連の受託・請負案件や派遣ビジネス、機器販売に力を入れると同時に、一方ソフトウェア開発では特徴ある技術をさらに磨き、ニッチで深い領域で顧客に価値のあるアプリケーション製品やサービスを創造しかつ拡大維持していきたいと考えております。

教育系や教育管理系システム等で企画段階から参画し、開発・保守している案件の実績が多数ございます。また授業の動画、映像配信管理システム等開発実績も増えております。これらの実績あるシステムの横展開やサービス化を鋭意検討しております。
会社の規模の割には優秀で特徴ある技術者が多数いると考えており、弊社のようなところで働いてくれることに心から感謝しております。また遠隔地(奈良、つくば等)で在宅勤務する社員が開発プロジェクトに従事しております。このような働き方を工夫し拡大していければと考えております。

今後とも皆様にご指導ご鞭撻を賜りながら少しでも前進し存在感のある会社にしていく所存でございますので、どうぞよろしくご愛顧のほどをお願い申し上げます。