情報コスト削減に蓄電池の技術革新にも注目

投稿者:nakajima 投稿日時:日, 2013-03-10 21:20

 データセンターなどでは瞬間的な電気の停止や停電時に電気が途絶えないように短時間のバックアップ充電器として「UPS」システムが導入されているが、問題は、この充電器が10年程度の寿命しかないとされ、交換しようとするとそのコストが高いことである。データセンターのコストが上がる悩みのタネである。
 しかし、固定観念は禁物である。データセンターのUPSに使われる鉛電池の寿命を倍以上に延ばすような新技術が登場している。首都圏ソフトウェア協同組合のメンバーの紹介で、この技術を勉強してみたが、確かに技術革新の余地はある。アイデア一つで大きく製品寿命が変わるということを実感させられた。
 鉛電池の性能が劣化するのは、充電・放電の繰り返しによって電極板に硫酸塩が固着して抵抗が大きくなるのが原因である。この新技術は、マイナスイオンの波動を送ることで、硫酸塩を分解して電池の状態を元に戻す、というもので、UPSを使いながら、電極板を徐々に掃除して、新品同様に復元してしまう。現在の鉛電池ではケースなどの劣化もあるので、無限というわけには行かないが、現在でも2倍から3倍以上に延びる。電極板の劣化が防げることを前提にケースなどの他の部品を頑丈にすれば、5倍、6倍と寿命を延ばせるのではないか。
 実は、鉛電池を使用している、建設機器や輸送機器、無線基地局のバックアップ電源などにはすでに採用され始めていて、大きな成果が出始めている。その次の大きな需要市場としてデータセンターの分野に焦点を当て始めたらしい。
 電力分野は、ICTのめまぐるしい技術革新の連続と比べれば、きわめてゆっくりとしか進化がないように見えてきた。しかし、原発事故に伴う電力エネルギー源の多様化が始まると次々に自然エネルギーの実用化技術が急進展し、気が付いてみれば、蓄電池の分野もまだまだ顕著な技術革新の余地が残っている。「ICTと電力の融合」というコンセプトでICT側でも電力の勉強が必須になって来たが、情報コストを大きく下げるエネルギー・電力技術の進展にも関心をもって、情報費用の圧縮に役立てたいものである。