平成25年JASPA 特別講演会「経済産業省の情報政策について」

投稿者:jaspanet 投稿日時:火, 2013-05-21 08:23

日時 平成25年5月16日 16:45〜17:45
会場 メルパルク東京「牡丹の間」
講演 経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課 野田直史 課長補佐

講演概要


講演内容としては以下の通り大きく5項目に分けられる。
1.情報サービス産業の現状と課題
2.IT人材の育成
 (1) 次世代高度IT人材
 (2) 情報セキュリティ人材
3.IT融合新産業の創出に向けて
4.公共データの開放に向けて
5.平成25年度の税制・補助金のご紹介

情報サービス産業の現状と課題について、現在情報サービス・ソフトウェア産業は売上高約19兆円、従業者数約91万人、事業所数約23,000社に上り、エレクトロニクス産業にも匹敵する雇用を抱えている。情報サービス市場の世界における日本の市場シェアは2013年度で14%を見込んでおり第3位である。2015年には西欧・日本のシェアが減少する一方、アジア太平洋・中南米エリアのシェアが増加することが見込まれている。

これまで日本の情報サービス・ソフトウェア産業は国内市場の受託開発が大きな割合を占めていたが、今後はクラウドコンピューティング等を活用し、グローバルにサービス提供型の事業を展開していくことが必要だと考えている。さらに、ユーザのIT活用の目的が業務効率化から、いかにITを活用して事業に付加価値を加えるかが重要となる。今後、ベンダはユーザに新しいサービス・システムを提案していくことが必要になってくる。これらの課題の解決には、ITを活用してイノベーションを起こせる人材の育成も不可欠である。

異分野とITの融合領域においてイノベーションを創出し、新たな製品やサービスを自ら生み出すことができる人材を「次世代高度IT人材」と呼び、そうした人材の育成が緊急の課題である。情報セキュリティ技術の突出した人材育成として「官民協働セキュリティキャンプ」が報告された。具体的な事例として旗取り合戦(CTF)等による実践的な演習の導入しているとのことだった。CTF(Capture The Flag)とは、クイズ形式や攻守に分かれたシステム上のファイル獲得競争等で行われるハッカーコンテストである。海外では米国DEFCON、韓国CODEGATEなどが有名であり、より実践に即した人材を育てることができる。

DATA METI構想については、経済産業省自身(所管の独立行政法人等を含む)の保有データを対象に
データ公開の環境整備を図り、実際に公開を進めるとともに、公開データを利活用したビジネスが展開する社会基盤を整えていくことで、オープンデータによる経済活性化の促進を図る。データを開放することで日本の経済に5.4兆円規模のインパクトを与える可能性がある。

新たな競争優位の源泉としての新社会システム創出に向け、IT化が進んでいない『フロンティア領域』と、既に変化が始まっている『競争激化領域』をターゲットに、市場規模や産業構造の変化が生み出されつつある状況を踏まえた政策展開を行うとのことだった。

平成25年度税制・補助金について、中小企業金融円滑化法利用事業者は約30〜40万社、特に事業再生・転業等が必要な事業者は約5万〜6万社と金融庁推計している。こうした5〜6万社への対応について、地域金融機関では、例えばA地銀では1億円、B信金では5千万円などといった与信額による基準を設け、重点支援先を選別しているため、条件変更の大宗をしめる規模の小さな中小企業についてまできめ細かな支援が出来る体制になっていないこうした状況を「経営改善計画の策定」「中小企業再生支援協議会の機能強化」等を通して支援改善していくとのことだった。