セキュリティーの国=日本を演出できるか

投稿者:nakajima 投稿日時:木, 2013-08-15 22:25

 かねて、筆者は米国のデータセンターを利用する際の情報の秘守について疑問を呈してきた。2001年9月11日、筆者もサンフランシスコで同時多発テロ渦中の「戒厳令」に遭遇して、敵対勢力に対する米国の厳しい姿勢を体感した。その感触からすれば、その後に成立した「パトリオット法」は、それまでの平常時の常識を超える厳しい内容になることは容易に想像できた。
 特に、テロ組織がインターネットを通じて情報交換をしていたことを治安当局は重視した。インターネットに流れるテロに結びつく危険な情報を傍受できなかったことを、治安当局は「失態」として反省した。その結果は想像できた。治安当局がインターネットの監視を極端に強めることである。企業情報にまぎれてテロ組織の連絡が行われる懸念もあるので、企業情報もモニターするのは当然の流れだろう。
 クラウドサービスで米国偉業は米国内のデータセンターを利用することに、筆者は疑問を感じた。当時から、筆者は総務省系のデータセンター促進協議会(村井純会長)の副会長をしているが、同協議会でこの懸念を表明し、米国大手クラウド事業者の日本法人の幹部を招いて米国にデータセンターを置くことのリスクを聴いた。日本にもデータセンターを置くべきだと指摘したが、その時は立場上、米国のデータセンターでも問題ない、と楽観論を披露していた。しかし、その後、程なくして、各社とも日本にデータセンターを急いで開設した。日本法人の幹部たちも本音では、米国のデータセンターに疑問を抱いていたのではないか。
 これを要約すると、日本は情報を安全に守るデータセンターの立地条件があるということである。金融機関でスイスは特殊な国である。最近は少し揺らいでいるようだが、数年前までは絶対的に顧客の秘密を守る国だった。日本も、「情報」について秘密を保持する仕組みを厳格に作ってはどうか。そうすれば、国際競争力のあるデータセンター産業が育成できるのではないか。もちろん、テロに関わる情報の中継点になることは避けなければならないが、多民族国家である米国に比べれば、はるかにガードを堅くできるのではないか。
 21世紀の高度情報社会は、サイバー攻撃の危機を迎えて、下手をすれば、システム全体の崩壊を心配しなければならないほどの危険な状況になっている。これを根本的に防ぐ技術を開発し、新しい価値を生み出すことができるのではないだろうか。
 われら、日本の情報サービス産業の必死の働きどころではないか。