IT戦略特命委員長 自由民主党衆議院議員 平井たくや衆議院議員に日本の国策としてのIT戦略を聞く

投稿者:jaspanet 投稿日時:月, 2014-01-06 18:13

平成25年10月1日(火)に、自由民主党・平井たくや衆議院議員、中島会長、横尾事務局長の3者対談を実施いたしました。本対談内容は、JASPA会報誌2014年号に掲載いたしますが、一足先に、本対談の概要をご紹介いたします。

対談参加者 自由民主党・平井たくや衆議院議員、中島会長、横尾事務局長
開催日時 平成25年10月1日(火) 10:00~11:00
開催場所 全国ソフトウェア協同組合連合会 2階大会議室
平井たくや議員プロフィール
選挙区:香川県第1区、選出エリア:四国ブロック
当選回数:5回、生年月日:昭和33年1月25日
衆議院 内閣常任委員長、IT戦略特命委員長、党ネットメディア局長、党SC総務大臣
党政務調査会副会長、u-Japan特命委員会事務局長、国土交通副大臣
党経済産業部会長、インターネット利用促進議員連盟会長、サービス産業振興議員連盟会長

1.マイナンバー制の効果と情報産業への影響および個人情報の取扱

(中島)
マイナンバー制がいよいよ実施されることになりましたが、情報産業への影響や課題について伺います。
(平井)
政権交代後、民主党政権下では政策の優先順位が極めて低かったITやICTが、久々に表舞台に上がってきました。その中で党・政府が示したIT新戦略の一つが、マイナンバー制度の導入です。
マイナンバーで一番問題になるのは、地方自治体のシステム改修の費用をどう準備するかです。
どこをどのように、どんなスケジュールで改修していくのか。国の方は進んでいますが、地方自治体の方はまだまだ理解が不十分です。そこにはベンダーロックインの問題や、自治体クラウドと言いながらベンダークラウドになっているという問題があります。そこの部分を、政府CIOあたりが強力なリーダーシップを持って進めていかなくてはならないと思っています。

2.行政情報のオープンデータ化推進についての有効な施策

(中島)
行政情報のオープンデータ化(電子的二次利用可能な形式で公開する)も、経済成長戦略の要になるのではないかと思います。この点については、どのような考え方をされていますか。
(平井)
IT戦略の中でも、公共データの民間開放、ビッグデータの利活用促進を大きくうたっていますよね。
(取り扱いに注意の必要な)パーソナルデータに関する検討会が年内にロードマップを作るということですが、まずは、各省庁がこれまでにオープンにしている情報がばらばらで検索できないので、データカタログというポータルサイトを立ち上げて検索できるようにします。同時に、省庁別に持っているビッグデータをオープンにしていくことを考えなければなりません。それをIT戦略の中心に据えようということです。

3.ネット選挙の評価と課題、改善点

(中島)
ネット選挙は、先生が中心になって進めてこられたのですが、どんな具合だったのですか。
(平井)
選挙が終わって、マスコミには「ネット選挙は低調」と書かれました。しかし、誹謗中傷やなりすまし、虚偽事項の表示等はありましたが、心配されたネガティブキャンペーンなどは本当に少なくて、インターネット選挙が解禁になったことによる違反の検挙はありませんでした。その分、盛り上がらなかったと言われれば確かにそうですが、私は、これはインターネットを利活用する方々のモラルが高かったと考えるべきだと思っています。日本には規制などせずとも落選運動をよしとしない文化がある。そこが非常に素晴らしかったなと総括しています。

4.サイバーセキュリティ問題の現状と今後

(中島)
次に、セキュリティの問題についてお伺いします。隣国だけではなくて、同盟国からも随分サイバー攻撃があるようですが、それに対して一体どのような対策を取っていくのでしょうか。
(平井)
サイバーセキュリティに関しては国産技術が極めて弱い。そういう問題がある中で、やはり国家の安全保障の基盤に関わる部分は日本製品でやらなければいけないのではないかという思いがあります。
ですから、私はセキュリティ人材がこれから世の中に出ていったときに、それなりの報酬を得て生計を立てられるようにしていくという政策を進めていきたいと思っています。要するに、これまではセキュリティの予算がシステム開発費の中に一括で計上されていて、どこまでがセキュリティなのかがはっきり分からなかったのですが、今後はそれを明確にしていこうということです。特に、国や自治体の発注に関しては、強いところをさらに強化するとともに、弱いところのレベルアップを図る方法を考えていこうと思っています。

5.JASPA提唱の「ITソフトウェア基準法」について

(横尾)
建設業界には基準法がありますが、この業界はそういうものが一切ない世界です。大手のベンダーは、自分自身の基準を持って、きちんとしたソフトウェアの提供ができていますが、中小のベンダーは何の基準も持ち合わせていません。そういうところがどのようなアプローチで、どのような良いシステムを作れるのかと考えると、非常に心もとない。どんなものができるか非常に不安だという状況が、もう何十年も続いています。
そういう状況を憂えて、何とかしなければということで、「ソフトウェア基準法」のようなものを作ってはどうかと考えているのです。
(平井)
大きい話なので即答できるような内容ではないのですが、政治的な立場で言うと、CSAJ、JASPA、JISAがまとめて提案していただくのが一番ありがたい。今の話を聞いていると、合意形成にはまだまだ時間がかかると思うのですが、私の願いは、ソフトウェア技術者の給与を上げたい。4K、5K、6K、7K職場といわれている現状をもっと付加価値の高いものにしていきたい。正当な技術を正当に評価した上で価格転嫁できるようにしたいということで、そのためにどうしたらいいかということを、まず考えたいと思っています。