元気な高齢者

投稿者:nakajima 投稿日時:木, 2014-02-20 12:36

JASPA会長コラム140225

 日経新聞に「高齢者、働く人の1割に 昨年 、日本、世界に先行 人口減を補う」という記事が掲載された。興味深い記事なので総務省のホームページで「労働力調査」をみると、エクセルでオープンデータ化されていて、便利な表が出てきた。どうも日経の記事とは微妙に数値が違う。参照している統計が違うのかもしれないが、傾向は読めるので、「労働力調査」を基に状況を点検してみる。
 「労働力調査」によると、2013年、労働力総数(年間平均)は6577万人で前年比22万人(0.3%増)の増加。総人口は減少しているものの、労働人口はわずかながらも伸びている。2000年代初頭は6600万人台を推移していたのに比べると6500万人台は水準が落ちたが、13年はなんとか歯止めがかかった。わずかながらも伸びた原因は高齢者と女性である。
 65歳以上だけ見ると、13年は総数が前年比6.7%増の650万人。男子が同6.9%増の400万人、女子が同6.8%増の250万人である。総数で見ると2003年から2013年の間に32.9%も増加した。特に女子は37.3%と伸び率が高い。
 少子高齢化に突入する日本社会では団塊の人口のこぶだった世代が65歳を超え始め、労働力人口から消えてゆくのが問題になっている。だが、この統計にあるように解決策の一つは見えている。65歳以上になっても労働力に留まることである。65最上の労働人口2003年からの10年間で161万人も増えている。全就業人数に対する比率は2003年に7.3%だったものが13年には9.9%(日経新聞記事では10%超)とほぼ1割にまで増加している。
 もちろん、これが「老害」を招いてはいけない。社会の価値観、時代の変化、従って市場の変化が激しい。過去の成功体験も、また、失敗体験も参考にならない。新しく生まれ行く市場には新しい価値観や感性、判断力が必要になる。高齢者は「自分たちの経験を基にアドバイスする」というところに価値を見出そうとするが、このアドバイスが邪魔かもしれない。アドバイスが「出る杭を打つ」結果に終わることをしばしば目撃してきた。「出る杭を伸ばす」と信じてアドバイスしたことが結果は逆に出る。
 新旧の交代の難しさだ。
 JASPAでは、「22世紀フォーラム」という少数のシニアしか参加していない若手の会がある。「若手」といっても、現在のJASPAの理事クラスに比べれば若い、と言っているに過ぎない。60代中心の現在の理事クラスが長く務め過ぎているのである。
 「高齢者」と分類される65歳以上の就業人数が増加している、というのは心強いが、恐らく、現在までの職に居続けているのではないだろう。新しいポスト、あるいは、新しい職域に挑戦して、「2毛作」「3毛作」の人生へと踏み出しているに違いない。後進に道を譲る、ということが重要だ。しかし、それは社会からリタイアすることではない。新しいことへの挑戦である。