超高速開発が企業システムに革命を起こす

投稿者:nakajima 投稿日時:水, 2014-05-28 16:50

 JASPAでも何度か話題になっているシステムの「超高速開発」ツールのビジネス書が発行された。この件については日経BPの 『日経コンピュータ』やインプレスの『ITリーダーズ』が理解を示し、支援する記事を掲載していたと思うが、書籍は日経BP社から刊行された。書名はこの回のタイトルである「超高速開発が企業システムに革命を起こす」である。
 超高速開発ツールは現在、いくつかのものが登場してユーザーが着実に増えている。JASPAに関係した企業では首都圏ソフトウェア協同組合のメンバーであるアトリス社がPEXAをリリースしている。現在は組合を退会しているが、沖縄のジャスミンソフト社のWAGBYなどすでに10数社が活動している。超高速開発の仕組みはさまざまだが、主流はノンプラミングである。
 この効果は大きい。開発スピードが1.5倍から3倍に向上するので、開発期間、工数が圧縮され、生産性が著しく向上する。これまではコストが低下するという事に注目してきたが監修者の関隆明さんと話をしていて、そのメリットに加えて、本来の「超高速」が時代にマッチしてクローズアップされている。
 言わずとしれた技術者不足である。首都圏ソフトウェア協同組合で毎週水曜日に開催しているビジネスマッチングの商談会では、圧倒的な技術者不足である。昨年前半は消費税引き上げに伴うシステム変更で技術者の需要が増えた。
そこへCIAのスノーデン元職員の治安当局によるシステム傍受の暴露問題である。現行の情報システムにサイバーセキュリティの深刻な問題が明らかになった。スノーデン事件は、米国のサイバー攻撃や盗聴(傍受)の実態が明らかになっただけでなく、逆に、米国が中国のサイバー盗聴や機密情報の窃盗の事実を暴露する(5月には中国人民解放軍の幹部に逮捕状を出して指名手配した)など、暴露合戦の泥仕合に入ってしまった。
 この間に明らかになったのは、米国も中国も、他国政府の重要システムや重要企業の情報システムにトラブルを生じさせるサイバー攻撃を仕掛け、あるいは組織的に重要機密を盗み出す諜報活動を繰り返して来たらしいということである。これまでは噂として流れていた事が事実らしいと確認されたと言える。重要なシステムは国内の安全な環境で作業をすべきだが、どうも、隠密裏に賃金の安い海外に委託したものもあったのではないか。
もし、中国の作業場所に仕掛けをされ、バックドアなどのプログラムが仕組まれたとすれば、日本の政府の重要情報や企業の重要機密が流出してしまう危険がある。いや、米国の治安当局のこのところの動きをみれば、未来の危険の話ではなく、すでに流出が始まっているかもしれない。こうした、リスクを抱えていると推測されるシステムは早急に国内で改修するか、全面的に作り直す必要があるかもしれない。
すでに大幅な人材不足の中で大量のシステム再構築需要の発生に耐えられるのか。
こういう状況で登場してくれたのが超高速開発ツールである。
日経BP発行のこの本では、こういう水面下のドロドロした話には触れていないが、企業の経営課題として超高速開発がもたらす効用とその技術の紹介、さらに分かりやすい実例などを豊富に掲載している。
情報社会の危急存亡の秋が近づいているような気がする。情報サービス会社が生き残るための試練の時でもある。超高速開発ツールの導入が生き残りのチャンスを提供してくれるのではないか、この本を読みながらそんな実感が湧いて来た。