首都圏ソフトウェア協同組合 理事 株式会社ディジタル 代表取締役 小池保典様

METSAでは、組合活性化への独自の取り組みとして「組合員探訪」を行っていますが、どういうものですか?

首都圏ソフトウェア協同組合(METSA)では、JASPAの各幹事組合インタビューの企画を参考にしながら、各組合員の会社を訪問し代表にお話を聞く「組合員探訪」という企画を昨年10月より実施しています。月に1社程度、現在(平成27年5月現在)で8社の組合員を訪問しHPにその訪問記事を公開しております。
http://www.syutoken.or.jp/tanbou.aspx

取組みのきっかけは。

現在106社が組合に加入しています。毎週行われる商談会や、月1回開催される協議会など盛況を博しているですが、それでも参加される組合員数は限られています。全組合員が組合加入のメリットを享受していただいているのか、組合を有効に活用していただいているのか等、組合として十分に把握できていない面があります。また各組合員会社がどのようなビジネスを展開しているのかその特徴などもよく把握されていないと思います。
それを少しでも改善するために、各組合員の代表に現在の組合活動をご説明し、組合に対するご要望やご提案、会社の強みや特徴や今後の方向性などをお聞きし、微力ながら組合員のビジネスに貢献できればと考えました。
各代表は非常にお忙しいので探訪のご了承や日程調整などは時間を要しますが、事務局のご協力をいただきながら、快く引き受けていただけております。

どのような質問をされるのでしょうか。

各組合会社の状況や代表の思い入れや関心により質問は変わってきますが、大まかには
・会社を設立してから振り返ってみていかがでしょうか。
・会社の現状や強みやこれから力を入れることや方向性について
・製品やサービスについて
・組合活動についてのご要望・ご意見など
・人材採用や人材形成、キャリア形成方法について
・事業継承
・最近の法改正やコンプライアンスへの取り組み状況
等をお聞きしています。

お聞きしてどうでしょうか。印象に残ったことは。

・お話をお聞きし、本当に各代表は自社の立ち位置をしっかり把握されています。常に問題意識を持ち、積極的に考え行動しているなと改めて感心しました。
・起業のきっかけについては、何か高い目標を持って事業や会社を立ち上げたというよりも、会社をつくらざるを得ない切羽詰った状況のなかで立ち上げた企業が多いと思います。信頼関係ができている既存顧客や自分の得意とする分野や今までの経験や実績の延長として事業を展開・起業している印象です。それがリーマンショックなどの困難な経営環境を乗り越えていく中で自信を持ち確信となって今があると感じました。
・各社ともやるべきことにこだわり、選択と集中を図っています。例えば将来を見据え自動化できないアーキテクトという職種にこだわりそれをブランディング化する会社があります。((株)システムブレインズ)
・プレイング経営者が多いです。経営から技術まで何から何まで携わっています。中には社長1人で複数の数千人規模のお客様と直契約し、基幹システムの開発及び保守業務を行っていながら、それに加え父親から引き継いだ別の会社の経営と町内のソフトボールチームの監督を引き受けて全国大会に出場している代表もいます。((株)ノベルットソフトウェアインダストリー)
・独自の製品やサービスを企画開発し、販売保守を手掛けている会社も多くあります。((株)パートナー、(株)コンピュータプラネックス、(株)システムブレインズ、(株)アトリス等) それらを販売するだけでなく、自社が顧客の業務分析やコンサルを行う上でのツールとして活用しています。ただ各社とも、採算に乗せるまでには相当の苦労や努力や多大な投資をしています。今後のIT業界の発展のためには是非ともこのような会社が存在感を増し伸びていくことを期待しています。
・官公庁入札案件取得に力を入れていく会社があります。((株)アトリス) 大手SIerの下では結局顧客のためにはならず、組合員が協力して直に取りに行く重要性を指摘しています。官公庁の業務案件は大まかには、住民サービス、人事給与、公会計の3つに絞られます。特に地方自治体は、資産の老朽化が進み、予算もない中で現状把握と早急なるシステム化をしていかなければいけない状態です。自社のノウハウを十分に活用して応札していきたいとのことです。問題は入札該当県に拠点や支店があることが応札条件となっていてそれが課題となっています。
・国のインターンシップ制度を上手に利用している組合員があります。若手を受け入れ代表自らが教育し社員化しています。((株)ブランチ)

組合に対してのご要望やご提案などはいかがでしょうか。

・組合の現在実施している活動をお知らせすると非常に興味を持っていただけます。共同受注委員会(http://www.JASPAnet.or.jp/node/315)や共同求人研修研究会で新卒を採用できた実績や内定者フォロー研修等、組合の存在価値を高めていると思います。
・組合員は中途採用への支援を要望されていますが、現実的には敷居が高いと思いますので、新卒採用の間口と機会を増やしていくことや、組合員は新卒を採用し育成できる経営や環境を目指していくことが必要かと思います。
・探訪で直接お話をして組合の諸活動をご理解いただけるケースが多いです。まだまだ組合員に活動情報の御理解や認識が十分伝わってないなと感じました。組合員が積極的に係っていけるような情報の提供方法を継続的に検討対策していく必要があると思いました。
・キャリア形成においては、中堅技術者研修の必要性と組合と協力して企画をできないかとのご提案をいただきました。((株)ウチダ人材開発センタ)
・マイナンバー制導入を見据え、JAPiCOマークやPマーク取得や更新への関心が高いですね。お話をする中で、JAPiCOマーク取得の検討をしていただける組合員が複数ありました。JAPiCO協会に短期間で取得できることも含めてフォローをお願いしています。
・社長1人の会社や社員が数名ほどで、SESビジネスはやらず受託専門の会社も多いです。悩みや不安などを共有しあい求人募集活動などで何か改善策が出せるような機会があればよいという組合員もありました。
・また中島理事・編集長の月2回発行しているメルマガを楽しみにしている組合員が多いです。
・昨年の消費税率アップは、各社とも結構インパクトが大きいです。昨年納付した1.6倍以上の納税をしなければならず、決算時期に計算してみてその負担の大きさが認識されます。((株)コムテップ等)

「組合員探訪」の評判と今後について

・思いのほか好評です。各組合員の代表にお話を伺う機会をいただけることは貴重な経験です。
・組合員の特徴や良さ、製品やサービスなどのご紹介等をアピールして、ビジネスに少しでもお役にたてたら幸いと考えています。各組合員が自社ビジネスの強化向上のために、組合を積極的に利用活用していただければと願っています。また戴いた課題なども今後フォローしていかないといけません。
・インタビューは、女性両監事のおかげで和やかに進んでおり、訪問終了後組合員と一緒に飲みに行くことも多々あり親交を深めています。今後ともできる範囲で「組合員探訪」を続けていければと考えています。