決算発表は「マイナンバー特需」でいっぱい

投稿者:nakajima 投稿日時:金, 2015-11-27 12:53

 11月中旬に発表になった15年度中間決算や15年度通期決算(16年3月期)見通しを読むと、情報産業界は「マイナンバー特需」で潤った様子である。マイナンバーはどうやってビジネスに結び付けるか分からない、という声も耳にしてきたが、準備してきたソフトウェア企業は着々と実績を挙げている。まだ、遅くはない。追いかける時間は十分にある。
 日本経済新聞の報道によると、野村総合研究所は「2016年3月期にマイナンバー関連事業の営業利益が10億円前後になる見通しだ。金融機関を中心にマイナンバー導入に向けたコンサルティングや個人番号の登録代行サービスが伸びる。売上高は50億円前後になりそう」という。マイナンバー関連で売上高が50億円というのだからかなりのものだ。
 ソリトンシステムズはマイナンバーとセキュリティーの2つのビジネスである。同社は「官民のサイバーセキュリティー対策強化を背景に標的型サイバー攻撃対応の製品が販売拡大。増収。16年12月期はマイナンバー対策で自治体から受注が伸びる。在宅勤務者向けのモバイル・セキュリティー商品に民間企業から引き合い」と書かれている。安倍内閣が推進する「テレワーク」ではオフィスの外で情報を取り扱うのでセキュリティーに神経質にならざるを得ない。テレワークの普及はセキュリティー対策製品の需要も伸びる。
 高千穂交易は小売店の防犯対策も追い風にした。「スーパー向けのIPカメラも好調。マイナンバー関連で大口案件を獲得。最終増益」。
 エコミックは番号収集代行である。「秋から始めたマイナンバーの収集代行も好調。16年1月以降も収集作業が遅れた企業から受注を見込めそうで全体でも増収」。野村総研でも「個人番号の登録代行サービス」というのが出て来たが、エコミックは「収集代行」という呼び名である。オービックビジネスコンサルタントも「マイナンバーの収入・保管システムの販売が中小企業を中心に好調」と新ビジネスが立ち上がったことを報告している。
 電算は自治体だ。「自治体向けは共通番号制度対応や制度改正案件など利益率高い案件豊富で伸びる。企業向けサービスも提供しマイナンバー特需取り込む」。「特需」と明記している。電算のニュース資料に「特需」という言葉が出ていたのだろう。電算の「してやったり」の満足顔が目に見えるようだ。
 もう一度、セキュリティー需要に目を戻すと、「マイナンバー制度導入に伴うシステム変更や、企業の情報漏洩リスクに対する意識の高まりで、システム操作を記録し誤作動や悪用を防止する主力ソフトウェアの販売が伸びる」(エンカレッジ・テクノロジ)、「マイナンバー制度導入に伴い、情報漏洩対策のためのシステム監視ツールも需要が増える」(データセクション)、「マイナンバー関連やサイバー攻撃対応への需要でセキュリティー関連サービス伸びる。大型受注も獲得」(テクマトリックス)など、マイナンバー制度の施行に伴ってサイバーセキュリティー需要が喚起しているのが読み取れる。。