マイナンバーカードの発行、大幅な遅れ

投稿者:nakajima 投稿日時:月, 2016-04-04 16:02

 先日、横浜市の近所に住んでいる情報分野の大先輩の方に会うと、「中島さん、マイナンバーカード、どうしました」と聞かれた。「まだ来ないんですよ」と答えると、「やっぱりですか」と急に怒りがこみ上げてきたのか、険しい顔に変わった。
 この方は旧通産省時代に事務次官まで務め、政策立案のアイデアも素晴らしかったが、何よりもバランス感覚に優れ、今でも情報社会の在り方に鋭い指摘をする。日本の情報分野の「宝」の人物だが、こんなに怒る顔を見るのは長い付き合いで初めてだった。
 「僕は通知カードが届いたときに、すぐに写真をつけて申請したんだ。それが正月を過ぎてもカードが届かない。いつかいつかと待っているうちにとうとう、年度を超えてしまった」。行政の不手際である。行政の先輩としては余計に我慢ができなかったのだろう。
 そこで筆者も「事情は同じで、うんともすんとも、連絡がないので、失礼極まりない」と言って一緒に怒った。悲しみは分け合うと軽くなるというが、怒りは共にすると相乗効果でさらに燃え盛る。同じ会議には、マイナンバーの推進役の自民党の平井たくやIT戦略特命委員長がゲスト講師に招かれていたので、さっそく苦情を言った。住居はどちらかと問われ、2人とも横浜市だというと、「うーん、横浜か」と何か、心当たりがあるようす。
 「マイナンバーカードがマイナンバー制度の中で最もメリットが実感できるのに、その発行がうまくゆかないとは、思いがけないところで足を引っ張られてしまった」と困惑の体だった。
 一方で都心・千代田区に住む大手新聞の幹部は、「僕は早くに届いたので、確定申告はマイナンバーカードを使って電子申請しましたよ」と便利さを実感している様子だった。
 マイナンバー制度のスタート、最初は通知カードの発送の遅れでトラブったが、次はマイナンバーカードの発行の遅れ。
 何事も新しいことを始めるのには苦労がつきものである。
 長期的にありがたみがどんどん実感できるようになる制度だが、最も実感できるはずのマイナンバーカードで、まだ、スタートラインにも立てない国民が大量に生まれつつある。気長に待つことにするか、と気持ちをなだめるが、それにしても遅すぎる。