マイナンバー、行政の「やる気」を求める

投稿者:nakajima 投稿日時:金, 2016-08-05 22:59

 私事だが、「マイナンバーカード」をやっと手に入れた。昨年末に通知カードが来て、写真を添えてマイナンバーカードを申請してから7カ月。7月中旬に、受け取るための予約を受け付けると案内が来た。電話で予約を申し込もうとしたら電話がなかなかつながらず、そこでまた無駄な時間を費やしたという話を聞いたので、ネット予約にした。これはスムーズに行って、予約時間に区役所に出向き、待ち時間も含めて30分ほどでカードを受領の手続きを終えた。
 マイナンバー制度の中で、利用者に大きなメリットが期待されるのはマイナンバーカードである。その中のICチップに収められている「公的個人認証」の仕組みが、ネットワークの中の本人確認を確実にする。行政サービスを受ける際にはもちろんだが、むしろ普段の日常生活の中で各種のITサービスを受けるのが安全で簡単になる。
 「マイナンバーカード」はネットワーク社会を生きてゆく「免許証」みたいなものだという期待もある。この安全性を保証するマイナンバーカードの新しいプラットフォームを信頼して、日本から新しいネットサービスが生まれてくることも望めるだろう。ということでマイナンバーカードが普及することを昨年、通知カードが配布されるとともに期待が高まっていたのである。
 通知カードも配布が遅れて、各所で混乱が起きたが、何とか、年内に恰好をつけた。しかし、その後の通知カードを元にしてマイナンバーカードの発行をするところで大トラブルになった。東京都心の比較的人口の少ない地域は年初からマイナンバーカードの配布が始まったようで、都心に住んでいる友人は、3月の確定申告もマイナンバーカードを使って電子申告したという。やはり都心に住む友人、知人はスムーズにマイナンバーカードを入手している。
 しかし、筆者の住んでいる横浜市は遅れた。特に筆者の居住地である青葉区は、大渋滞を起こしたようだ。青葉区の責任だけでなく国のシステムに不備があったのも災いしたようだが、同じ居住区に住む知人と顔を合わせるたびに「まだ連絡が来ないぜ」とイライラしたものである。
 実は2000年代初頭に住基カード(住民基本台帳ネットワークカード)発行時に嫌な思い出がある。横浜市は最初は住基カードはプライバシー保護上に不安があると当時の中田市長が住基ネットとの接続を拒否したため、横浜市民はカードを受け取れなかった。その後、中田市長の方針転換で住基カードを発行することになって、筆者は青葉区役所に発行の申請に出向いたが、区役所の窓口を尋ね歩いても住基カード発行の手続きが分からない。各種申請書が置いてあるテーブルにも住基カードの申請書はない。ようやく住民票窓口の長い列の後に従って、担当係にたどり着くと、面倒くさそうに「住基カードですか?」と言って、カウンターの内側の棚から申請書を取り出して「記入して持ってきてください」と言われた。またテーブルの方に戻って所用事項を記入すると再び長蛇の列の最後尾に並んで30分もかけて係にたどり着いた。
 記入事項をチェックした後、「紛失した場合には再発行に500円が必要だ」とか「紛失した場合に個人情報が流出するので持ち歩かないで厳重にしまってください」とか「特に住基カードで役立つことはありません」とか、住基カードを取らせないような説明ばかりで、行政のやる気のなさを痛感させられた。
 今回のマイナンバーカード発行の遅滞に直面して、頭をよぎったのは住基カードの不快な記憶である。しかし、青葉区で応対した職員の誠意からは、かつてとは全く違った印象を得た。この「やる気」を持続して、マイナンバーカードをプラットフォームにした新しいネット社会を構築してゆきたいものである。