「めでたさも中ぐらいか、18の春」

投稿者:nakajima 投稿日時:水, 2017-12-27 16:18

 21世紀も早いもので18年目に入る。
 「9.11」の米国同時多発テロをきっかけに、21世紀は戦争の危険なにおいを振りまきながら進んで来た。遠く聞こえていた戦乱の騒音は、昨年、一気にミサイルと核兵器の開発を急ぐ近隣の国によって、すぐそばに近づいた警報音となってけたたましく響いてきた。
 18年といえば人間ならばそろそろ大人入りして理性が育まれる年代。しかし、「歴史」という長大な流れを歩む人類にとっては、まだまだ幼年、見境なく取っ組み合う時代に過ぎないのだろうか。平和の象徴たる冬季五輪も、ミサイルと核兵器のすぐ隣の国で開催される。果たして無事に開かれるのだろうか。新年とともにまず、心配になるのはそのことである。
 重い課題を抱えたままの年明けである。
 その一方で、ICTを軸にした社会の進展、産業の進展は目を見張るものがある。ここ数年、さんざん口にされてきた、IoT、ビッグデータ、AI、ロボットなどのキーワードが、いよいよ具体的に姿を現しつつある。18年は、さらにこれらの技術が進展して、新たな製品、サービス、ビジネスを生み出す可能性が開けるはずだ。経済分野を活性化させる原動力になるだろう。
 ソフトウェア開発分野で活動するJASPAのメンバー企業にとっては新たなビジネスを広げてゆく機会が大きくなる。もちろん、これまでの技術やビジネス経験がそのまま通用するかどうかは疑問である。変化に対応し、チャンスに変えるだけの努力を重ね、幸運も引き寄せなければならない。
 日本の産業界には遠くに巨大な滝が待ち構えていることも、昨年ははっきりと認識させられた年である。世界の電気自動車への急速な移行である。欧州各国政府や与党が2025年から40年までの間にガソリン車の販売を禁止する方針を打ち出し始めた。米国もそれに準じる動きがある。中国もガソリン車へのナンバープレート発行の条件を厳しくして事実上の規制に乗り出した。技術の問題ではなく、政治の決断としてガソリン車廃止へと向かっている。
 自動車大国、日本の大ピンチである。トヨタや日産、ホンダなどは電気自動車にシフトできるかもしれないが、ガソリン車の部品を作っている膨大な数のメーカーは仕事を失う危機が待ち構えている。いずれ、まっさかさまに滝つぼに転落しかねない。日本を支えてきたのは自動車部品業界である。その転業先を作らなければいけない。
 もちろん、自動車部品産業がこれから向かう先の最有力候補はIoT、ビッグデータ解析、AI利用の新産業、ロボットなどを活用してこれから作り上げるスマート社会を推し進める新産業である。そこへ向かってゆく日本産業を導くリーダーはJASPAを含めた現在の情報産業である。その責任は大きくて重い。
 暗い国際政治情勢、明るい技術の進展、そして産業の大転換の予感。祝い酒に酔ってばかりはいられない、中くらいのめでたさの新年である。