情報産業の再構築に備えて~~勝負をかけるコーナリング

投稿者:jaspanet 投稿日時:金, 2010-08-13 00:17

情報サービス産業が直面している異常は、どうやら一時的なものではない。派遣法が制定されて、現在の階層構造の情報産業の体系ができ上がった1980年半ばから、すでに25年以上が経過した。いや、労働者派遣法は、実態の後追いで制定されたとも考えられるので、情報産業の現在の基本形ができ上がってから30年以上の時間が経過したと見る方が妥当だろう。一つのビジネスモデル維持継続される寿命は30年と言われる。情報サービス産業の現在のビジネスモデルの寿命が尽きた、というのが、異常の本質かもしれない。

たとえば、危機の元凶の一つと言われる「オフショアリング」もいつまで続くのか疑問がある。中国やインド、東南アジア諸国への業務の流出による低価格圧力が、情報企業の収益力を奪ったというのである。しかし、これらの地域の猛烈な勢いの経済成長で、実は、安い労働力を求めるオフショアリングのビジネスモデルはそう長くは続かないはずである。特定分野の技術者の賃金が高騰している中国企業からは、「安い」日本の労働力を求めて「逆オフショアリング」を打診してきたという話も耳にするようになった。 われわれは産業構造が大きく変わるコーナーに差し掛かっているのである。うまく回り込まなければ、転覆する危険もある。速度を落としてゆっくり回り込んでいれば、後続の企業にどんどん追い抜かれて、取り残される危険もある。もちろん、このカーブをうまく利用して、新しいビジネスモデルへの転換、収益源の確保によって、一躍、成長軌道に乗って、新しい業界で先頭集団に立つチャンスも生まれてくる。

 いずれにしても、現在の情報産業の構造をしっかり把握し、克服すべき問題点はどこにあるのかを明確にすることが、このコーナーを曲がった先をしっかり見極めるための大前提である。寿命が尽きかけている現在の情報産業の自壊を待つよりも、再構築のシナリオ作りのために、業界の状況を根本から見直す必要がある。

 JASPAは全国各地の中小ソフトウェア会社が結集する組織である。各メンバーは、この大きなカーブをどのように曲がるのか、悪戦苦闘している。個々の問題点を議論しあってそれぞれのメンバー企業に必要な解決策のヒントを模索するとともに、業界全体の体質転換のための方策も打ち出してゆきたい。もちろん、メンバー企業が、このカーブを曲がる「コーナリング」の成功のために、JASPAでは経済産業省へ各種の支援策を求めてゆく。メンバー各企業のビジネス拡大のための情報発信のお手伝いもしてゆく。

 メンバー各企業の勝負をかけたコーナリングが成功するように、JASPAは活動を強める。メンバー各企業もまた、この組織を大いに活用していってもらいたい、とつくづく思う。