日本のハードウェア復活に期待

投稿者:nakajima 投稿日時:金, 2018-07-06 16:26

 本誌編集長の中島が代表を務めているMM総研では、デジタル社会のイノベーションの原動力となるICT製品・サービスを対象にしたアワードを設けている。今年は15回目で、日本経済新聞の6月21日付け夕刊、日経産業新聞など専門紙の6月22日付けの全面広告で審査結果を発表、7月5日に東京・白金のシェラトン都ホテル東京で表彰式を行った。4代目所長を引き受けた2002年は、「マルチメディア総合研究所」だったが、「マルチメディア」はインターネットの登場によってすでに実現したので社名としては古い、と判断して「MM総研」と改名した。その記念事業として始めたのが「MM総研大賞」である。
 早いもので15年というのが感慨である。
長く、審査委員長を安田浩・東京電機大学学長(東大名誉教授)、審査委員を前川徹・東京通信大学マネジメント学部学部長、藤沢久美・シンクタンクソフィアバンク代表、北村森・サイバー大学教授に引き受けていただいている。
 この間、さまざまな製品・サービスを表彰したが、そのICT製品・サービスの進化のスピードには改めて驚かされる。しかも大半はソフトウェアやサービスだった。
 今年は「大賞」はハードウェアになった。NECが次世代イノベーションプラットフォームとして打ち出している『SX-Aurora TSUBASA』である。「“スーパーコンピュータは研究開発のツールである”との設計思想に基づいて超高性能と使いやすさの両立を実現したとして審査委員会で、高い評価を受けた。「大規模計算が必要となる科学技術領域に加え、AI・ビッグデータ解析、資源探査、画像解析、セキュリティなどの新しい領域にも活用の幅を広げている」と授賞理由を説明している。つまりスーパーコンピュータを小型化し、IOT、ビッグデータ時代に使いやすいように価格も安価にしたというわけである。
 NECが初めての大賞受賞である、というのも意外だった。
 審査過程に中島も同席したが、日本の強みだったハードウェアの復権を促す、という期待感が審査委員会には流れていた。
 NECからは石黒憲彦取締役 執行役員副社長が表彰盾の受賞に出席した。筆者が日本経済新聞記者時代に通産省の電子政策室長で、産業間の電子商取引の振興の旗を振っていた。安延JASPA会長の2年後輩で、ともに1990年代の強い「日本の情報産業」を演出してきた。
 日本のコンピュータ産業が長い低迷の時期を脱出する日が来るのか。久しぶりに石黒さんと言葉を交わして、審査委員会での日本のハード復活への強い期待感を思い出した。