働き方改革の象徴「ワーケーション」を取り逃がすな

投稿者:nakajima 投稿日時:水, 2019-09-11 18:15

 「ワーケーション」~~情報産業界には見逃せない新しい「働き方」の提案である。
 「テレワーク」を一歩進めて「ワーケーション」だ。「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を融合した造語である。長期滞在型のリゾート地で楽しみながら、折をみて、ネットワークとテレビ会議を利用しながらリモートワークをする、というものだ。もちろん、「ワーク・ライフ・バランス」が言われ始めたころからリゾートワークは注目されていたが、今度は「官製」の色彩がある。
 「官製」というのは内閣府が熱心に推進しているからである。
 きっかけは来年夏の東京五輪である。国内外から大量の来訪客が東京周辺に押し掛けてくる。交通の大渋滞が予想される。これを考慮して、一昨年から、総務省主導で、東京五輪の開会式に当たる7月24日を「テレワーク・デイ」として在宅勤務を進めるキャンペーンを実施している。東京都心部への通勤者を減らす実験である。
しかし、その程度ではとても間に合わない、とみて、今度は内閣府が「ワーケーション」を提唱し始めたわけだ。ネットワーク時代、仕事はどこででもできる。打ち合わせも、テレビ会議の性能が上がっているので、遠隔地にいても違和感なく、打ち合わせができる。思い切って五輪の期間、働き場所をリゾート地に移したらどうか。
 日本テレワーク協会が今年から「ワーケーション」を強く打ち出した。内閣府やテレワーク協会の動きにいち早く呼応したのが長野、和歌山両県である。早速、7月に入って、ワーケーションを推進する全国 的な自治体間連合「ワーケーション自治体協議会」設立に向けて動きだした。リゾート地の本命である沖縄県は動きが鈍い。沖縄を売りだしているのは沖縄県ではなく、内閣府である。沖縄のワーケーション候補地域を紹介するポータルサイトを沖縄県ではなく、内閣府が立ち上げたのである。
 さらに内閣府では、「ワーケーション体験ツアー」と称して1週間程度、沖縄・名護市のリゾート施設でリモートワークする無料招待ツアーを企画している。内閣府の沖縄への入れ込みようは大変なものがある。
 もちろん、業種的には情報産業が最適である。ネットワークさえあれば、どこででも仕事ができる。かつては、細かい打合せができない、と、抵抗もあったが、最近ではどの職場でもテレビ会議で打ち合わせするのが当たり前になった。まだ、問題は残るだろうが、解決できないはずはない。一時期はブラック企業が多く、暗いイメージが付きまといがちの情報産業だったが、「青い空」「青い海」の環境で仕事ができる、という新しいイメージができるかもしれない。
 ワーケーションを東京五輪時期の緊急対策に終わらせず、恒常的な働き方のメニューに入れてゆきたい。情報産業が一番、効果が出そうだ。