新型コロナウイルスの犠牲者か、経済破綻の犠牲者か

投稿者:nakajima 投稿日時:日, 2020-03-08 02:03

 「疑わしきは2週間隔離」「公立学校一斉休校」と大胆な感染拡大阻止の政策が打ち出される。しかし、その結果が及ぼすアセスメント(事前評価)がなされていなかったのではないか、と疑いたくなるようなドタバタである。過剰な対応ではないかと懸念する声も少なくない。過剰な対応で経済まで破壊させては取り返しがつかない。
 感染者が行動した軌跡をフォローして、濃厚接触したと思われる者を2週間「健康経過観察のために外出を控えさせる」などは、社会の仕組みを混乱させるだけはなく、中断を許されない企業活動に致命的な打撃を与えかねない。企業はテレワークなどを大幅に取り入れて「隔離中」でも業務に当たれる仕組みづくりを急ぐべきだろう。
 しかし、飲食、ホテル、レンタカー、バスなどの観光業やサービス業はそうもゆかない。
 特に沖縄にいて痛感するのは、第一の産業である観光業の打撃の大きさである。
 学校が一斉に休みになっているのだから、不要不急の観光は慎む、として国内の観光も一気に収縮した。外交関係の緊張で昨年夏以降、韓国からの観光客が激減した。まだ中国がある、と思っていたら、頼みの綱の中国が新型コロナウイルスで壊滅である。名所を抱えた観光地や温泉地などにあふれかえっていた韓国、中国の観光客はすっかり姿を消した。これで東京五輪まで影響を受ければ、全国の観光セクションには黄色信号から赤信号が灯る。
 「観光立県」として観光を年間7000億円以上の第一の産業に育て上げた沖縄県の場合は特に深刻である。
 一時期の中国人観光客の「爆買い」を当て込んだ「ドラッグストア」がメーンストリートの国際通りに続々と開店、通りの様子を一変させてしまったが、それに続いて現在はホテルラッシュである。一昨年あたりから土地を高値で買い占め、ホテルの建設ラッシュが始まった。すでに開店、営業を始めたところもあれば、現在建設中で今年のうちに営業を始めるところもある。
 そのドラッグストアもホテルも閑古鳥である。国際通りも空いて、歩きやすくなった。
 定宿にしている東横インも5割にも満ちていないのではないか。ビジネスマンの常連が多いビジネスホテルでこれである。観光客向けの高級ホテルはもっと惨憺たるものだろう。観光業界に不況の大嵐が吹き荒れるのではないか、と空恐ろしくなる。
 航空会社も深刻だ。東京~沖縄路線は、常に8割から10割の乗客率だったと思うが、3月に入って往復した便はいずれも1割から2割しか乗っていなかった。サービス業は在庫が利かない。今日売れなかったものは明日売る、というわけにはゆかない。今日売れなかったものはそのまま損失である。それが3カ月も4カ月も続いたらどうなるか。
 感染症の犠牲になるより、経済破綻で生命を危うくする犠牲者の方がよほど大きくなるのではないか、と心配になる。経済破綻をきたさないように、先回りの対策を講じなければならない。