コロナをきっかけに行政の電子化を本気で進めよう

投稿者:nakajima 投稿日時:金, 2020-06-12 14:27

想定外のコロナ対応で日本社会のデジタル化の後れが、あちらこちらで露呈した。ヨーロッパでは法律で決定した1日か2日後には住民の銀行口座に「コロナ給付金」が支払われたというのに、日本では、6月になっても筆者の口座には振り込まれていない。オンライン申請の手続きが煩雑でギブアップしたという友人の声もあったので、申請書が郵便で届くのを待って、記入した申請書を郵便で送ったのだが、妙な違和感を覚えた。
というのは、申請書には家族構成が印刷されているので、いくら申請するかはわかっている。銀行口座も、税金が口座引き落としで、行政に届けてある。横に連携していれば、申請手続きなしに翌日に振り込んでもらえるはずだ。住基ネット(マイナンバー)と徴税システムを連結すれば一瞬で作業が終わるのだが、日本では一部の強硬な抵抗があって、簡単に行政情報を連携できなくしているのである。わざわざ。
その結果、作業が渋滞し、行政担当者が疲弊するほど作業に振り回されている、という。なかなか支給金が振り込まれないのは担当者の人手不足だと弁明しているので驚きだ。郵便で申請書が来たら、まず、人間がチェックし、おそらく銀行口座番号などを手入力しているのではないか。オンライン申請のものも、いちいちプリントアウトしてチェックしているようなテレビニュースを見た。
こんなに人手が介入していれば、遅くなるに決まっている。人手を省いて自動化するのが行政の電子化だ。民間企業は「電子取引」の仕組みで受発注業務を自動化し、人手による業務処理を排除しているので、コストダウンだけでなく猛烈なスピードアップにつながっている。人手による業務処理を大量に残しておいて「人手不足」もないものである。
コロナ感染者の数字の集計作業の実態の報道にもびっくりした。
厚労省は感染者情報を全国の保健所を通じ一元管理する新システムを構築したそうだが、新システム導入前は医療機関は手書きとファクスで報告、保健所は電話やメールで報告していたらしい。導入後はパソコンやタブレット入力で済み、「手書きのファクスから解放されるメリットがある」のだそうである。
「勘弁してくれ」と言いたくなる。ピーク時でも200人程度の患者数の集計にえらく時間がかかると思っていたが、20世紀の手法で集計していたらしい。電子化のためにたくさんの予算を投入してきたはずだが、そのお金はどこに消えたのか。
こういうお寒い現状が露呈してみると、情報産業が活躍する行政業務処理の分野はたくさん残されている。行政の電子化の後れを、コロナのおかげで十分に人目にさらしてくれた。コロナがなければ後10年も気が付かないまま20世紀のシステムを使い続けていたかもしれない。
後れを嘆くのではなく、「後れを取り返す」という決意で行政の電子化の恥ずかしい現実を改革してほしい。