コロナの今をどうとらえるか。

投稿者:nakajima 投稿日時:水, 2020-07-08 23:19

 本当は五輪祭典で別の華やいだ光景と、不吉な面ではリアル、あるいはサイバーテロの襲来の不安に脅え、緊張した時間を経験していた頃だった。こんな20年7月は想像できなった。後から、この時代をいろいろな人たちが解説をしてくれるだろう。
 しかし、今を生きる人間として重要なのは事後の解説ではない。今をもう一度確認しておく必要があるだろう。
未知のウイルス「新型コロナウイルス」に侵略されてパニックになった4月までの混乱に比べれば、少しではあるが、ウイルスの正体の一部が分かってきた。とはいえ、まだ、十分に合意を得た理解はなされていない。
当初から、相対立する2つの考えがあった。一つは重大な疾病とみて感染数を重視し、都市の封鎖や極度の自粛を求めて封じ込める主張である。反対に、致死率が低いのだから感染の広がりを懸念する必要はない、と社会生活の規制は不要とする、日本ではごく少数だが、そういう考えもあった。
日本は当初、前者の新型コロナの感染を重大な問題とする見解が圧倒的に優勢で疾病対策最優先とする対応措置が取られた。しかし、その結果、観光業や飲食業、特定のサービス業が壊滅的なダメージを受けた。緊密に体系化された経済システムの中で観光業や飲食業が欠損すれば、これは循環して経済システム全体に大きな影響を与えかねない。感染拡大防止を重視する立場も揺れ動いている。
後者も盤石ではない。ブラジルの大統領が経済優先で「たいした病気ではない」と経済優先で米国に次ぐ感染者数と死者数を数え、なお、自身が感染したことを公表しながら、強気の姿勢を崩していないのをどう評価するのか。当初はこの立場にいた英国首相も自身が感染し、死線をさまよった後、一転して政策を厳しい規制策に変えた。
海外の動きは重要な示唆になるが、日本では別のアングルも主張されている。
日本の関心は「感染数の推移」だが、これはすでに各機関から指摘されているように検査数に依存するのでまったく恣意的な数値だと批判されている。7月に入っての感染数の急増は新宿や池袋の歓楽街の従業員が検査を受け、多数の陽性者が出たために偏った数値となっている。しかも、感染が確認されたら10万円が支給されるという奨励金で、多くの被験者が出たために陽性者が増加した。従来は症状が現れた人、濃厚接触者だけに絞り込んで少数者を検査してきたのとは母数が違うので、現在の感染者数の増加に過度に脅える必要はない、という主張である。
この主張では、重要な指標は「感染者数」ではなく、「重症者」の数や「死者」の数であるが、この数値は確実に減少している。日本では感染者数が諸外国に比べて極端に少ないが、これは検査数が少ないだけのことかもしれない。しかし、重症者数、死んだ方の数は、検査数には関係ない。この数値が日本の現状を反映するわけで、これによれば、日本社会は確実にコロナを克服しつつあるというわけである。
筆者もこの考え方に近い。過度な警戒心で経済を犠牲にするのは避けなければならない。もちろん、爆発的な感染拡大、それに伴って抵抗力のない高齢者や基礎疾患をもつ人々が重症化し致命的なダメージを被る危険があるので、これは別途考えなければいけない。筆者もその高齢者、JASPAに貢献する経営経験豊か高齢のメンバーもたくさん活躍している。こういう方々に感染を広げる危険は避けなければいけないが、しかし、経済を死なせて、前途ある企業や若いエンジニアの可能性をふさいではいけない。
コロナとどう立ち向かうか。さらにアイデアを結集して対応してもらいたい。