デジタル後進性克服を争点に~~総選挙への早すぎる期待

投稿者:nakajima 投稿日時:金, 2020-09-11 11:31

 一気に衆議院選挙モードに切り替わってしまった。8月中旬までは内閣支持率が下落して30%台まで落ち込んで、こんな状態では首相が解散~総選挙に踏み切ることはない、と観測されていた。しかし、政治は「一寸先は闇」というが、それにしても急転回である。
 もちろん、8月28日の持病悪化による首相辞任表明が最初の転換点。通常、政権末期の内閣支持率は最悪になるらしい。ところが、9月上旬に各マスコミが行った安倍支持率は一挙に倍増し、軒並み70%台という効率を記録した。これがにわかに解散―総選挙へのモード切り替えが起こった第2の転換点である。厳しい安倍批判を繰り返してきた某大手新聞でも「どちらというと」も含めて73%が安倍内閣支持に回った。
安倍批判を繰り返し、内閣支持率を低下させる原動力を果たしてきたテレビのバラエティー番組のコメンテーターも、一瞬、唖然とする意外な結果で、言葉を失う支持率の高さだった。
 持病悪化という個人的な同情もあっただろうが、安倍政権を振り返る記事や番組では「景気回復」や「外交」で相当に頑張っていたではないか、と初めて認識されたことも大きかったのだろう。これまで露出時間でカウントすれば、こうした実績については極めて少ない。ニュース番組やニュース解説では取り上げても、時間の長さにすればほんのわずかである。テレビのバラエティー番組や新聞の露出では、「モリ、カケ、サクラ」が圧倒的な時間を占めていたのだが、こうして振り返ってみると、改めてマスコミというのは偏った報道の仕方をしていたものだと感じる。
元新聞記者だった筆者が言うのも恥ずかしいが、マスコミの本質はポピュリズムである。特にテレビでは、何が重要かではなく、その時に大衆受けの良い話題に飛びついて視聴率を稼ぐ。歴史を振り返って気が付くと、本当に重要だったものを取り上げていない、ということに気が付く。新聞はテレビほどには浮ついてはいないが、その生い立ちから偏りがある。政府から飛び出した反対勢力が「政府批判」を展開するために創刊したものが多く、その役割は政府の政策を前向きに評価するより、批判することを是としている。長期政権になればなるほど、批判の矢が鋭くなるのは致し方がない。
 ただ、この政権末期の異常な内閣支持率の高さは情緒に流されすぎている気がするが、国民の今の最大の関心事はコロナ収束だろう。「3密の回避」と「ワクチンの早期開発」に集約される解決策の大筋はだれが首相になっても大同小異だろう。そのほかのサイバー攻撃対策も含めた「国防」やコロナで露呈した「デジタル後進性」を克服するための「デジタル政策」などの政策がきちんと議論されることを期待したい。
 特にデジタル後進性の克服には、この機をとらえて、一気に前進する政策を示してもらいたい。せっかちだが、総選挙への期待である。