デジタル革命を一気に~~IT連の活動が重要に

投稿者:nakajima 投稿日時:土, 2020-10-03 17:43

前回この欄で取り上げた「衆議院解散」は、9月中旬のマスコミ報道の雰囲気から筆者が肌で感じていたものだが、その予想は外れた。菅首相が、コロナ収束を含めて首相として進めたい案件があるとして、即時の解散を決断しなかったようだ。早期解散説を唱えていた麻生副総理にマスコミも引きずられた。
 ただ、所信表明演説を含めて菅首相のデジタルへの熱い思いが伝わってきたのが、JASPAとしては心強い。また、デジタル庁の創設の任務を託されたのはJASPAとも縁の深い平井大臣の起用となったが、これまでの活動から当然の大臣就任だろう。前回のIT担当大臣の時よりも、さらに強い期待を受けての再登場だ。年次順の「ところてん人事」ではない。適材適所である。この裏には、コンピュータソフトウェア協会とJASPAが中心になって結成にこぎつけた日本IT団体連盟(IT連)の貢献がある。
 IT連は、コンピュータソフトウェア協会の荻原紀男会長が、新会長の方針として業界団体の糾合を掲げ、当時JASPA会長だった中島と専務理事の横尾に業界糾合の旗振り役になるように相談をもちかけてきた。横尾専務理事が前向きに応じて、それから呼び掛ける業界団体選びになった。準備が着々と進む中で、筆者はJASPA会長を退き、IT連からも離れたが、現在は安延申JASPA会長がIT連副会長の1人として団体を引っ張っている。JASPA事務局の鷹羽氏も設立準備期から中核的な働きをしている。
 当初の荻原・中島・横尾の話し合いで、IT連の目標が「情報省」創設に置かれた。経産省や総務省、文科省、厚生労働省などに分かれている情報政策を新省庁に一元化して国際的に大きく後れをとったIT社会づくりを加速化させるのが第一段階のゴールである。ただ、多くの団体に参加してもらうため、直近の目標として「政策提言」「人材教育」「サイバーセキュリティ」など多様な目的を掲げ、省庁の機能統合を目指した「本音」はあまり表に出さずに業界団体の意思統一を優先的に取り組んできた。その間に中小企業のIT化の助成金の実現や「情報銀行」推進で実績を重ねてきた。
 その裏で政府や政界へのデジタル化推進の政策提言を粘り強く重ねてきていたのである。そして、デジタル庁の創設はIT連の目標がじつげんしたということである。その活動が高い評価を受けているのは、IT連の初代会長の宮坂学ヤフーCEO(当時)は現在、東京都副知事としてデジタル推進のけん引役になっていることでよく分かる。さらに、デジタル庁創設方針が発表されるや否や民間の登用の噂とともにIT連の川邊健太郎第2代会長の名前が上がっているのは、菅内閣のデジタル推進政策の裏にIT連の影響があることを物語るものであろう。
 JASPAも実現に大いに貢献したデジタル庁創設、その後の政策立案、実行を強く支援してゆかなければならない。